イギリス旅行記
「腸腰筋探求の旅」〜メタボは大丈夫か?〜
快フィットネス研究所 所長 吉井 雅彦
イギリスの首都ロンドンから北西、列車で1時間ほどに位置するリーク・ウートンという小さな町で開催された、3日間の「腸腰筋ワークショップ」に日本マタニティ・ヨーガ協会 代表 森田先生と伴に参加してきました。移動の余裕をみて1週間の旅でした。
今回の研修は、腸腰筋に関わる指導をしているリズ・コッホ(Liz Koch)というアメリカ人女性が講師でした。この数年間、我々は腸腰筋に着目していろいろ調べているうちに、森田先生がこのリズに行き当たりました。リズはおおむね60歳くらいの女性です(違っていたらごめんなさい!)。
研修はもちろん英語で行われます。通訳なしで大丈夫だったかって?僕はたどたどしく日常会話程度はできますが、専門用語連発の研修は初めての体験でした。この半年、車を運転しながら娘が受験勉強に使っていたリスニングのCDを聞いて準備しましたが、いやはやマシンガンのように降り注ぐ英語の速さには到底追いつけませんでした。それでも3日目位になるとなんとな〜く耳に入ってくるようになるんですなあ。不明な箇所は森田先生に聞きながら対処しました。
今回は全部で27名の参加(女性20名、男性7名)でした。何てったってみんな外国人ですぞ!おっと我々こそが外国人か!? イギリスからの参加以外に、ドイツ、ベルギー、イタリアからも来ていました。自分自身の腰や股関節が悪くて来ている方、治療を仕事にしている方、そして精神的なトラウマなどを取り扱うカウンセラーの方も少なからずおりました。
リズはこうしたワークショップを、アメリカは勿論、カナダ、イギリス、ブラジルなどでも開催しています。鍼灸にも通じていて、そちらの観点からも腸腰筋を分析しています。リズによれば、腸腰筋は「筋肉」というより、身体における重要な働きをしている「組織」という位置づけのようです。
研修はとてもフランクな環境で行われ、先生の話を寝ころんで聞いても、あちゃらを向いて座っていてもまったく問題なし。寝ころんだまま先生に質問もしていました。ちょっと日本では考えられない雰囲気でした。
この研修の主な狙いは、腸腰筋をかなめとして、自分自身の体、特に体幹深部の「声」を聞くというものでした。リズは、この意識をコア・アウェアネス(Core Awareness)と称して広めています。
今回勉強してきたことを、もう少しじっくり消化しなければなりません。そして分かりやすく、しかも効果的なやり方を皆さんに紹介していく所存です。(ちと時間がかかる…。)お待ちくださいな。
さてイギリス・ロンドンは、僕は約30年前にヨーロッパ周遊の旅で1泊2日だけ滞在したことがあります。「行った!見た!」てな印象しかありませんでした。
イギリスは日本より北に位置しており、ロンドンが北緯51度に対して札幌が43度。ただし周りを海に囲まれているので、緯度の割には暖かいのだそうです。6月の下旬でしたが最高気温は20℃程度で朝晩は涼しいくらいでした。
緯度が高いので、日没が遅い。なんと夜の9時半くらいから夕暮れに。朝は4時にはもう明るかったです。冬は逆になるようですが、なんとも調子が狂います。
ロンドンについてまず驚いたのが物価の高さ!ロンドンに着いて、夕食を摂るためにイタリアレストランに行ったのですが、(なんでイギリスに行ってイタリアンかって?イギリスには、そう言っては申し訳ないですが大した料理はないんですな、これが)、それぞれにパスタを頼んで、サラダを一つ。日本なら3〜4千円というところでしょうか。まだ着いて間もないために通貨(ポンド)レートの実感がなく、食べながらよ〜く考えてみると、その食事で約30ポンド。1ポンドが250円弱でしたから、7千円強!た、た、高い!ちなみにわかりやすい例で言うと、コカコーラが300円程度でした。聞くところによると、ヨーロッパで一番物価が高いのだそうです。
イギリスは伝統の国と呼ばれているくらいで、建物も古いものがそのまま残っていて旅の情緒に浸らせてくれるところです。また治安の状態も比較的良く、安心して町を歩くことができます。
街を歩く現地の人を見ると、さすがヨーロッパ人!さっそうと歩いておりましたな。歩くスピードも速い。いわゆるウォーキング。さすが伸筋優位の人種です。(日本人は屈筋優位。だから日本人は「おんぶ」なんですぞ!おばあちゃんも背曲がりはいても、日本でよくみられるような腰曲がりはおりませんでした。)
その現地の方々、見たくなくても、その腹の出具合が気になります。日本では、よく中年太りと言いますが、あちらは中年でなくても腹がボテ腹!したがって皆さんがロンドンに行くとそのいつも気にしているボテ腹はまったく目立たなくなりますよ!
太る理由はすぐ分かります。食べる量が多い!レストランへ行くと、メニューにスターター(前菜)、次にメインディッシュ(主菜)と出ておりますが、我々はスターターで充分!きゃつらはと見ると、しっかりと、スターターから始まり、メインディッシュ、それもワインなんぞをお飲みになりながら。終わったかと思うとどっさりのデザート!太らないわけがない!えっ!?あなたも同じ?
ホテルでの朝食もすごいボリュームです。「フル・イングリッシュ」と称する朝食は、どでかいお皿に、卵料理、ベーコン(日本のようにペラペラではありませんぞ!)、ぶっといソーセージ、ハッシュドポテト、大豆を煮たもの、焼きトマト、そしてマッシュルームが乗ってきます。せっかくイギリスに来たんだから、郷に入っては郷に従えとばかりに、毎朝食「フル・イングリッシュ」を食べました。どうなったかは、聞かないでくださいな!世界統計でイギリスの男性はメタボのワースト10に入るのだとか!しかも日本の食事に比べて極端に野菜が少ないのです。
そんな訳で、皆さん堂々とした腹回り。少しは気にしているのか、ジョギングをしている人をよく見かけました。向こうの人は、普通に歩いていても日本で言うウォーキングですから、運動として効果を出すのであれば、ウォーキングよりも強度が高いジョギングなんですね。
ボテ腹で、やはり許せないのは若い女性です。金髪のポニーテイル、青い瞳、長い首、すらっとした腕、程よい胸のふくらみ…そして、そしてボテ腹!…許せ〜ん!今まで、日本でそれなりにふくよかな娘のローライズからはみ出たと言うか、こぼれ出ると言うか、ありあまる腹の脂肪がたるみ出ていたのが、許せませんでした。「はみ出るくらいなら、穿くな〜!」ってな感じでしたが、今回のイギリスに行ってみて日本のはまだ許せます。許す!。でも、しかし、やっぱりあの、上の部分はかわゆいイギリス娘のボテ腹を、おじさんは、「絶対に許せ〜ん!」です。
ロンドン市内で信号待ちの車の運ちゃん。鼻くそをほじっておりました。これは万国共通ですな。親しみを覚えました。鼻と言えば、とあるレストラン。イギリスでは店の周囲の屋外にテーブルを置いてありそこで、みなさん飲み食いしながらダベリング。若いカップルがお互いの鼻と鼻を突き合わせて、目を見つめあいながらああでもない、こうでもない(聞こえませんでしたので…)。仲睦まじき微笑ましい光景でしたが、日本人ではああはいきませんなあ。まず鼻と鼻を突き合わせたら、もう口がついちゃったりして。つかないまでもお口のにおいが気なったりして…。ああロマンもへったくれもありゃしない!
イギリスの印象は?ときかれれば「のんびり」と答えるでしょうか?芝の緑が広がるいわゆる「田舎」。詳しくは分かりませんが、何となく住んでいる人が優雅に余暇を楽しんでいる、そんな風に感じさせるところです。感心したのは、そんなに大きくはないですが、個別住宅の庭には必ずと言っていいほど芝生が植えられていますが、どの家も手入れが行き届いていたことです。生活の余裕を感じさせます。
ペットの犬や猫も、これも何となく日本のペットたちと比べて、穏やかで、とても人懐っこい、素直な感じがしました。ただ、ペットも多少太り気味!
あと、うらやましく思えたのが、あちらの方の「ハゲ」。結構多くの方が禿げていらっしゃいまして、それはそれは親近感がありました。しかし日本人の禿は、なんとも貧相なのに対して、向こうの人の禿はなんとも様になっている、言い換えれば格好いい人が多いのですな。くそーっ、うらやまし〜い。
ロンドンでは研修前後の空き時間に、大英博物館、王立美術館、タワーブリッジ、ロンドン塔、バッキンガム宮殿の交代式、ビックベン、国会議事堂など回りました。テームズ川沿い、ビックベンの対岸に、ロンドンアイという約30分で1周する直径135mの大観覧車が新しい観光名所になっていました。ロンドン市内の上からの眺望を楽しみました。
大英博物館には、教科書で見たことのある貴重な歴史的品の数々が展示されています。王立美術館ではゴッホのひまわりの絵をはじめとして有名な画家の絵画が展示されています。なんと驚くことに大英博物館も王立美術館も入場料は無料!さすが、英国人、「よっ、太っ腹!」
イギリス研修からは帰ってきましたが、まだまだ腸腰筋探求の旅はこれからも続きます。
合掌